
事業承継
事業承継M&Aというと未上場企業同士のM&Aと限定的に考えられがちですが、
買い手屬性は、東証一部上場企業から小規模な未上場企業まで多岐にわたります。
また、譲渡企業の主なニーズが事業承継であっても譲受企業のニーズは既存事業の強化や事業の多角化など多種多様であり、
互いのニーズが合致するお相手を探す必要があります。
レコフは創業以來一貫して、顧客の課題を一緒になって考え解決されたときは共に喜びあうことを実踐してきました。
すべての案件に真摯に向かい合い、後継者問題等に悩む経営者の皆様に最適な譲渡先への
円滑な事業承継を支援いたします。
事業承継とは
―事業承継M&A市場の全容―
中小企業の事業承継が重要な國內課題と認識され、経済産業省中小企業庁が2005年に事業承継協議會を設立してから10數年が経過しました。多くの中小企業経営者が參照する中小企業庁の事業承継ハンドブックでも、初版2006年版からM&Aが重要な事業承継の選択肢として記載され、現在では、M&Aは広く事業承継に活用されています。しかしながら、これまで事業承継を目的としたM&A(以下、事業承継M&Aと表記)が、何件くらい実行されているのか、市場の大きさはどの程度なのか、その市場全容に関する分析はあまり目にしません。実際、どのくらいの事業承継M&Aが行われているのでしょうか。
事業承継M&A市場規模を推定する上で、基礎となるデータが、公表されたすべてのM&A案件を集計しているレコフのM&Aデータです。その2009年から2019年までの11年の約27,600件のデータをすべて目検し、「売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売卻した案件」を事業承継M&Aと定義して抽出し、件數をグラフ化したのがグラフ(1)です。2019年の年間件數は616件で、休日を除く毎日、平均すると2件の事業承継M&Aが公表されているということになります。振り返ると2019年(616件)は2010年(140件)に比べて4.4倍に増加しました。
公表された案件以外にも、未上場企業どうしの案件で未公表の案件も多數あるのが現実です。レコフが助言をした案件でも未上場企業どうしの未公表案件は存在します。未公表の案件數は推測するしかありませんが、筆者は、中堅中小企業の事業承継案件を取り扱っているM&A支援企業の幹部の方から、「自社が取り扱った案件で、レコフのデータに記載され、かつ、事業承継M&Aと定義された件數は15%程度」というコメントをもらいました。
つまり、公表されている案件の7倍程度が事業承継M&A市場の件數規模で、2019年は年間4,000件を上回るレベルだと推測されます。また、買い手の屬性分析も関心の集まるところです。屬性分析のひとつが、公開企業が買い手となる事業承継M&Aの件數規模です。2019年に公表された事業承継案件を買い手の屬性により分類したグラフがグラフ(2)になります。
この間、買い手が公開企業である事業承継M&Aは306件で、公表された案件全體の50%に相當します。事業承継M&Aというと未上場企業どうしのM&Aと限定的に考えがちですが、買い手が公開企業となる市場も年306件という規模で存在します。 事業承継M&Aと言っても、買い手屬性は、東証一部上場企業から小規模な未上場企業まで多岐にわたります。したがって、そのM&Aの交渉過程や意思決定※、必要な書類(ドキュメント)や関連する法令規則も様々です。また、売り手の主なニーズが事業承継であっても買い手のニーズは既存事業の強化や事業の多角化など多種多様であり、互いのニーズが合致するお相手を探す必要があります。 さらに経験的には、景気?業績が良い時にM&A件數が増加するという傾向がみられ、M&Aの検討には外部環境そしてタイミングも重要な要素と考えられます。従って、M&Aの検討開始から完了までのプロセスは必ずしも容易なものではありません。こうした中、レコフのようなM&A支援企業は、お客様である企業やオーナーと苦労を共にしながら、アドバイスをしつつ案件を成就させていくところにその存在意義があります?,F在、事業承継M&A市場は年間推計4,000件のレベルにまで拡大し、まだ成長を続けています。今後、事業承継M&A市場がさらに広がりと奧行きをもっていくにしたがって、市場の中身が分類されセグメント化されていきます。レコフのようなM&A支援企業各社も、買い手屬性や売り手企業の業種?規模で分類されたセグメントによる得意分野が明確になるでしょうし、自社の得意分野を事業承継M&Aを検討するオーナー経営者へ明確に伝えていくことが必要となります。M&A支援企業による、そうした自己認識に基づく活動が市場を進化させ、個々の事業承継を検討する顧客企業へのサービスの質を上げていく好循環へつながっていくことになることでしょう。
例えば、數多くの公開企業が意思決定の透明性と厳格性を擔保する目的で、投資委員會といったチェック機構を設け、客観的な基準をクリアした案件へ投資をするといった意思決定プロセスを設定しています。そういった場合、未上場企業の意思決定とはまったく異なる準備が必要になります。
附屬資料::2019年 主な案件リスト
(2019年における売り手の経営者や個人株主が株式の大半あるいは一定規模を売卻した案件616件から10件を抜粋)
報道日 | 當事者1 (買い手) |
當事者2 (売り手) |
買い手の 株式市場 |
買い手 業種 |
売り手 業種 |
売り手 所在地 |
株式の 取得先 |
公表金額 (百萬円) |
目的等 |
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1月7日 | オプテックス?エフエー (オプテックスグループ) |
東京光電子工業 | 未上場 | 電機 | 電機 | 東京都 | 既存株主 | 未公表 | 産業用センサメーカーのオプテックス?エフエーは外徑測定器メーカーの東京光電子工業を買収。両社の技術?販路を融合することで國內外での事業を拡大 |
1月23日 | セレンディップ?コンサルティング、 大垣共立事業承継1號投資事業有限責任組合など |
サンテクト | 未上場 | サービス | サービス | 愛知県 | 創業者 | 未公表 | 経営受託、事業再生などのセレンディップ?コンサルティング等は製造業向け技術者派遣のサンテクトを買収。サンテクトはセレンディップの経営基盤を生かし、事業規模を拡大 |
1月31日 | 長野計器 | 中村金型製作所 | 東証1部 | 精密 | 非鉄?金屬製品 | 長野県 | 代表取締役等 | 未公表 | 圧力計製造の長野計器はダイカスト?マグネシウム金型設計?製作の中村金型製作所を買収。長野計器は製品セグメントの一つである「ダイカスト」製品の品質向上等を見込む |
3月26日 | インフォメーション サービスフォース (トライアンフコーポレーション) |
ITソフトジャパン | 未上場 | ソフト?情報 | ソフト?情報 | 東京都 | 代表取締役等 | 32 | システム?サービスのトライアンフコーポレーションは子會社を通じてシステム開発のITソフトジャパンを買収。技術力、取引基盤の融合により情報技術事業の拡大に寄與すると判斷 |
3月27日 | 吉野家 ホールディングス |
ウィズリンク ホールディ ングス |
東証1部 | 外食 | 外食 | 広島県 | 社長 | 未公表 | 吉野家ホールディングスはラーメン店運営のウィズリンクホールディ ングスを買収。新たな価値を共に創造しグループの國內外での展開を加速させる |
5月31日 | 第一カッター興業 | アシレ | 東証1部 | 建設 | 建設 | 神奈川県 | 社長 | 601 | 建造物切斷等の第一カッター興業は、ウォータージェット工法による建造物外壁関連事業等のアシレを買収。第一カッター興業はグループの中核事業の補完?強化につなげる |
7月17日 | セイワ工業 | 東栄コーティング | 未上場 | 鉄鋼 | 非鉄?金屬製品 | 岐阜県 | オーナー | 未公表 | 溶接?機械加工のセイワ工業は亜鉛メッキ加工の東栄コーティングを買収。東栄コーティングは主に自動車部品のばねをメッキ加工。セイワ工業は相乗効果が見込めると判斷 |
8月6日 | 三和コンピュータ | シェアード? ソリューション? サービス |
未上場 | ソフト?情報 | ソフト?情報 | 東京都 | - | 未公表 | システム開発の三和コンピュータは、コンピューター関連/保守サービスなど提供のシェアード?ソリューション?サービスを買収。三和コンピュータは保守事業の強化を図る |
9月27日 | オリックス | ワコーパレット | 東証1部 | その他金融 | サービス | 大阪府 | 社長 | 40000 | オリックスは、物流機器販売?レンタル業のワコーパレットを買収。オリックスグループが有する法人営業ネットワークや事業ノウハウを活用し、同社の安定的な成長に貢獻する |
10月17日 | クローバフォー | 第一青果、 ベジフル、 川崎産業 |
未上場 | 食品卸 | 食品卸 | 青森県 | - | 未公表 | 青果卸のクローバフォー(新潟県)は、同業の第一青果(青森県)など3社を買収。クローバフォーは新たに青森県にも拠點を構える。東北地方への販売網を強固なものにする |
後継者問題と事業承継の
選択肢
深刻化する後継者問題?
経営環境の激変
高度成長期に創業した企業の経営者が高齢は進んでおり、國內企業の社長の平均年齢は59.7歳(2018年1月年時點?帝國データバンク調べ)と、60歳以上の企業が半數を占めています。
また、オーナー企業へのアンケートでは社長が60歳以上の企業において51.5%が後継者がいないと回答しています。年間4萬件に及ぶ休廃業?解散や倒産する企業の中でも、これらの後継者不在などを背景として清算?廃業を余儀なくされる中小企業は増加の一途をたどっています。
企業継続に向けた事業承継の選択肢とそれぞれのメリット?デメリットをご紹介します。
選択肢 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
後継者への承継
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親族
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○オーナー家としての地位継続
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▲経営者としての能力に不安が殘る
▲株式の異動に時間がかかる
▲個人保証含めたリスクも引き継ぐ
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役職員
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○會社を熟知しているため円滑な承継が可能
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▲株式の買取資金の不足
▲社長の個人保証を外せないリスク
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第3者への承継(事業承継M&A)
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○會社 :より強い事業基盤で成長
○オーナー:創業者利益最大化?個人保証解除
○社員 :雇用の安定
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▲一族がオーナーではなくなる
▲株式譲渡後も相応の引継ぎ機関が必要
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企業の存続と発展のために
しかしながら、親族?役職員の承継については、「そもそも子供がいない」、「借入の個人保証の引継ぎが困難」、「後継者による株式の買い取りが困難」といった問題から難しいのが現実で、M&Aを選択されるケースが多く存在します。ここで、第三者への承継のメリットを詳しくご紹介します。
M&A(第三者への承継)の
メリット
後継者問題の解決と
ハッピーリタイアメントの
実現
M&Aはオーナー様の擔保?個人保証の解除とハッピーリタイアメントを実現する有力な手段の一つといえます。 譲受先となる第三者への引継ぎにより、後継者問題の解決とオーナー様個人の擔保や個人保証の解除そして創業者利潤を実現します。
従業員の雇用継続
企業の売卻を検討される際、多くのオーナー様にとって気がかりなのは、譲渡後の従業員の処遇です。 しかしながら、実際の中堅?中小企業のM&Aでは、會社を支えられてきたすべての役員?従業員も大切な資産ととらえ、雇用の継続が前提とされます。
企業體質の強化と
さらなる事業展開の
可能性
M&Aで譲受先となる企業には、上場企業や成長企業など 経営?財務基盤の強固な企業が多く、資本業務提攜によって企業體質の強化が期待できます。 譲受先企業の信用を背景にした販路の拡大や円滑な資金調達により、これまで自社の力だけでは難しかった事業展開も可能となります。
M&Aは會社と従業員を守る有効な選択肢のひとつです
レコフの事業承継M&Aサービス
事業承継M&Aを検討される経営者様に対し、レコフは以下の強みをもってサービスを提供いたします。
豊富な経験
- 1987年創業の老舗
- 日本のM&A助言會社の草分けとして、長年培った豊富な経験と実績に基づいて、M&Aの助言を行います。
- 上場企業への助言経験を事業承継案件へ活用
- レコフは中堅中小企業専門のM&A助言會社ではなく、上場企業同士の統合案件や大型の再生案件の助言もしています。M&A助言會社は、上場企業へ助言をする會社(外資系証券や大手証券等)と中堅中小企業専門の會社(獨立系M&A會社の大部分)に大別され、サービス內容はまったく異なっています。レコフはその両方を手掛け、上場企業への助言サービス內容を中堅中小企業の事業承継M&Aへ応用できる數少ない會社です。
ネットワークと提案力
- M&A実務を通したネットワーク
- M&A実務を通じて培われた上場企業?未上場企業とのネットワークを通じて、最適な相手方企業を提案します。上場企業とのネットワークについては、日本の上場企業は3,500余社を數えますが、レコフは創業以來その9割を超える企業と接觸してきました。未上場企業を加えると、その社數は20,000社を越えています。こうしたネットワークが候補企業選定に活かされます。
- 業種ごとの専任擔當制
- レコフでは、社員が業界を長期間擔當し精通することにより、業界の再編動向、業界を構成する各企業の歴史や戦略、トップマネジメントの人柄に至るまで、対象業界に関する生きた情報を把握しております。
経験と高い知識による推進力
- M&A実務のプロフェッショナルチームによる一気通貫のサービス
- 経験豊富な社員が案件擔當責任者となり、財務?會計?法務に高い専門知識と経験を持つM&A実務に精通した経験豊富なプロフェッショナルが、M&Aブティックの草分けとして様々な案件に攜わってきた経験を蓄積しながら、個別事情に応じたソリューションを提供していきます。
M&Aの流れと成功報酬
検討?準備段階から契約締結まで、円滑な事業承継をサポートします。
-
検討?準備フェーズ
- 初期検討
- 企業評価のご試算資料の作成
- 提案資料作成&打診先選定
-
打診?交渉フェーズ
- 打診開始
- トップ面談?會社訪問など
- 譲受企業での方向性決定
基本合意の締結までは一切の手數料等は発生いたしません。 -
最終契約フェーズ
-
意向表明?基本合意
成功報酬の10%
- 買収監査の実施
-
M&A?資本業務提攜成立
成功報酬の90%
-
意向表明?基本合意
相手先の企業と基本合意が締結された際に、最終的な成功報酬額の10%を、
買収監査が完了し正式にM&Aが成立した際に、殘りの90%をいただいております。
譲渡?譲受雙方の企業が納得し、基本合意に至るまで無料でサービスを提供いたします。
案件創出段階において特別な業務が発生する場合はこの限りではありません。詳しくはお問い合わせください。
明瞭な報酬體系
弊社 | 大手ブティックA社 | 大手証券B社 | |
---|---|---|---|
著手金 | 無料 | 有料 | 無料 |
企業価値算定 | 無料 | 有料 | 無料 |
月額報酬 | 無料 | 無料 | 有料 |
成功報酬の算出方式 | 下記テーブルに拠る | 下記テーブルに拠る | 下記テーブルに拠る |
案件創出段階において特別な業務が発生する場合はこの限りではありません。詳しくはお問い合わせください。
成功報酬の基本料率テーブル
対象資産 | 料率 |
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5億円以下の部分 | 5% |
5億円超 10億円 以下の部分 |
4% |
10億円超 50億円 以下の部分 |
3% |
50億円超 100億円 以下の部分 |
2% |
100億円超の部分 | 1% |